非美観地区を歩く

どうも倉敷というのはこんなふうに「美観地区」の裏側の、非美観地区のほうになかなかいい気分(ムード)のものがあるようなのだ。
— 椎名誠『日本細末端真実紀行』

「倉敷」という場所を最初に知るきっかけになったのは大槻ケンヂの『のほほん雑記帳』という一冊の本でした。少しややこしい話なってしまいますが、著者が倉敷のことを触れていたわけではなく、冒頭にある『日本細末端真実紀行』をノドカ本として紹介していたからです。
当時、私は大槻ケンヂ(筋肉少女帯)が好きで、関連するもの全てに手を出していた記憶があります。そんな中の一つがこの本でした。
ちなみにノドカ本とは精神安定本というか、読んで字のごとく、ノドカな気分にさせてくれる本のことだそうです。

私が実際に倉敷を訪れたのは20年程前の事になります。それは当時勤めていた会社の主要な取引先が水島コンビナートにあったためです。
宿泊先は倉敷駅前で取り、仕事終わりにムードのあるお店はないものかと毎晩探し回ったものです。そのうち、通い慣れた店のマスターから、いろいろなお店を紹介してもらったりもしました。

そして、最終的に行き着いた場所が『倉敷デパート』でした。デパートと聞けば百貨店の様なところを想像する人が多いと思いますが、昭和の面影を感じる飲食店が並ぶアーケード街となっています。

美観地区の入り口である駅前の外れに、私の中の非美観地区を見つけたのです。

倉敷デパート内には、鉄板焼、炉端焼、バー、焼肉、アジア料理、うどん等々、味もさることながら個性的なお店が揃っています。また雨風を凌げる屋根もあるので、ハシゴ酒する人にはもってこいの環境です。


ここは地元の人もよく通う場所です。今夜は散策帰りに倉敷デパートまで足を延ばし、非美観地区でしか味わえない地元の人たちとの会話を楽しんでみてはいかがでしょうか?

現在では、仕事よりプライベートで寄る機会がほとんどです。
私にとって倉敷とはノドカな気分にさせてくれる街なのかもしれません。

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